資料を鵜呑みにしてはいけません

むかしちょこっと紹介したシーラスの VGA リファレンスですが、こないだぼーっと眺めていたらちょっと意表をつく記述を発見したのでした。
542x/544x/5446 用のどのリファレンスでもいいのですが、VGAレジスタを説明しているところで、GRAPHICS CONTROLLER REGISTER の GR5 のところ。ここの bit0,1 で VGA の16色グラフィックモードの書きこみモードを設定するのですが、そこの Write Mode 3 の説明を引用してみます(下線引用者)

Write Mode 3: The data for each display memory plane comes from the corresponding bit of GR0[3:0]. The bit-position-enable field is formed with the logical AND of GR8 and the rotated CPU data. The SR and Function Select fields are ignored in Write Mode 3.

"Function Select fields" というのは GR3 の bit3-4 のことです。つまり「書きこみモード3のときは CPU データとラッチの間の論理演算機能は無視されるヨ」というようなことを言っているわけです。
もちろん、この記述は誤りです。だいたい DOS/V とか日本語版 Windows についてる JDISP.SYS がカーソル描画に書きこみモード3の XOR を使っており、シーラスの VGA でもこの機能は正しく動作します。あまりにも堂々と書かれていたので一瞬信じそうになったヨ。