(Free)DOS の現状と今後

最近 DOS ネタはおろか Web じたいあんまり見てなかったりしますが、たまに書いてみますか…。

ここで私が言っちゃうのもなんですが「いまどきのPCにとっての DOS」ってのも立場的に微妙なものがあるわけでして、まあ正直な話、いまどきのPCで DOS を使っていくというのは逆にPC資源がもったいないといえる。もっとぶっちゃけちまうと、上の寝言でほざいていたようなロートルスペックのPCでさえ DOS でそのポテンシャルを使い切ることは難しい。

  • シングルタスクなので複数プログラムの同時実行は基本的に考慮されていない。
  • 節電機構(ACPI)、サスペンドリジューム等の未サポート
  • 描画・サウンドに関する共通インターフェースの不在(画面は VESA のフレームバッファサウンドは各チップ毎に直叩きのコードを自前で用意…)
  • サポートされるファイルシステムが少ない。そして遅い。
  • あまり柔軟とはいえないメモリ管理(搭載メモリ量をどれだけ増やしても DOS 上で使える基本メモリ量は増えない)
  • (上記二項の典型例として)ネットワーク関係のドライバを入れると基本メモリが圧迫され、動作しないアプリケーションが増える。
  • USB 未対応(プラグアンドプレイ不可、キーボードとマウスは BIOS 側でのエミュレーションに頼る)
  • 日本語入力/表示/印刷(FEP/IME、サポートする文字セット、プリンタ)の制約

やべえ冷静に書き並べるとちょっとくじけそうになっちゃたヨ。個人的にみた DOS のチャームポイントも書いてみよう。

  • 割とコンパクト
  • ハードウェア直叩きOK
  • 慣れ親しんだ過去のソフトウェア資産

ふつうの人が DOS を使いつづける理由としてはいちばん下のものがとりあえず妥当だと思う。というより他のうまい理由が思いつかない(「組み込み用」というのは本職向けとみなしてひとまず除外してある。組み込み用途でならそれこそソフトウェアも「部品」のひとつとしてシビアに査定すればいい)。逆に言うと過去の資産に興味のない人にとっては一種のメンテナンスディスク以上の価値は見出しにくい。今後も積極的な需要の伸びはないと思う。

…なんか夢も希望もない見切りになっちまいましたが、実際 FreeDOS 本家プロジェクトに対して個人的にはあまり積極的な更新を求めていないのでした。つまり「死ななければよい」と。デバッグとかドキュメント整備とかのハウスキーピング的なメンテナンスがされていればひとまず安心だー、という程度の希望です。でもあんまり消極的だとオープンソースプロジェクトとしてモチベーションが維持できんのだろうなあ…とも思うのですが。まあもっと言っちゃうと、だいたい Unix 方面との親和性というアプローチがちょくちょく話題になるけどそれって微妙だよねえ、といつも思っています。シングルタスクでパイプも実装されてない(からテンポラリファイルで代用してる)OS なのに。Unix ライクにするならむしろ Linux カーネル+dosemu でコンパクトなディストリビューションを作ったほうがよいのではと思ったり。