eComStation 2.0 ってほんとに出るのかしら的なアレ
まあ念のため OS/2 タグつけておきますか…こないだちょっと紹介した例のスレですが、とりあえず某serenity代表の人の返答(#81245)だけちょろっと日本語化してみますた。なんつーかかなりの気分訳になってしまったのでできれば前後の文脈をたどる上でもスレ全体(ついでにスケジュールのへげもげに関する Mensys の中の人の返答)をお読みいただいたほうがよいのではないかとそれがし愚考つかまつる。
IBM にいたころからそうだったのですが、私はお客様が意見を表明することを非難したことは一度もありません。製品を買うということは、批判する権利なども買うということなのだ、と私は思っています。
たいていの場合、批判的意見に答えることはないのですが、あえてやってみます。商品としての eComStation のリリースは2000年にさかのぼります。ビジネスプランは個人消費者ではなく業務ユーザ (commercial users) に絞っていました。主要目的は製品をハードウェアの変化に追随した現行品として維持することで、それによって業務ユーザが自前のアプリケーションを使いつづけられるわけです。
これらの業務ユーザは eComStation を個人向けアプリケーション用のデスクトップ OS として利用してはいません。通常、そこにあるのは単体の業務アプリケーション (corporate application) であり、時としてそれは認可を受けた業務アプリケーション (certified application) の場合もあり、OS/2 向けに開発されたものなのです。そしてこれらには、認可の再取得、もしくは今日のハードウェアにより適合したもののいずれかが必要とされています。
OS/2 は、物分りのよいユーザ層の擁護と好意を常に享受してきたのですが、そういった人たちの中にはパワーユーザが多いのです。そして eComStation はそこから多くのものを受け継いでいます。すばらしいことです。しかしそこは eComStation のビジネスモデルとはまったく違います。eComStation は OS/2 の代弁者ではないのです。
しかしながらこれらユーザとボランティアのサポートを私は評価しています。OS/2――eComStation の土台をサポートし、便利にするものなら何であれ、私にしてみればすばらしい。私は彼らに恩義があります。
Software Subscription に関してですが、これは新機能にアクセスするための手段である、とつねに位置付けられてきました。私が書いたメッセージをタイトル検索すれば、「購入したいのですが (should I buy)」という質問に対して何度も何度も同じフレーズを使っているのがおわかりかと思います。
それは「あなたにとって価値を見出せるものがありましたら、ご購入ください」ということです。ダウンロードで手に入る修正やアップデートのうち、新機能というほどではないものはすべてのユーザが入手できます。新リリースのベータ版はすべて新機能の範疇となりますので、Software Subscription Service とそのまま連動しています。
Software Subscription Service を購入したすべての 1.2 ユーザは、2.0 の製品版を受け取る権利を保証されていますが、Software Subscription Service ダウンロードへのアクセス権についてはそうではありません。どこかむりやりなところがあるでしょうか? はじめにいったことをもう一度ご確認いただきたいのですが、あなたにとっての何かしらの価値、つまり(お金を払っても)手に入れたいものがあるとお考えいただけるのであれば、Software Subscription Service をご購入ください。
荒げた書き込みに気分を害してはいません。怒りやすいたちではないのです。思慮がなく弁護できるものでないとは思います。しかし意見というのは癖のようなもので、誰でもひとつは持っているものです。人は自分の意見に根拠を示すことを要求されているわけではありませんし、かといって意見の正確を期したり間違いを直したりする義務もありません。
2.0 の遅れにお困りでしょうか? 確かにそうでしょう。がっかりされたでしょうか? ごもっともです。どうにかならなかったのか? 確かにそう思います。しかしともかくこれが現状です。IBM での25年を経て、ソフトウェアには完成することは決してない…ただリリースされるだけ、というパラダイムに私は同意するようになりました。まさにそのような事例がここにある、と私は考えています。
2.0 は既知の不具合に関するドキュメントとともにリリースするべきでした。そして修正とアップデートのリリースを始めるべきでした。何もかもうまくいき、今までの製品計画がすべて盛り込まれればよかったのですが、実際やってみると…ユーザを何年もお待たせしなければならなくなっています。そしてこれが、現行リリースが被っている症状なのです。ゴールポストが動かされ続けているのです。
はじめからこうしていたのではありませんが、こういうことになっています。これは(開発)チームへの苦言ではあるのですが、一方で彼らがベスト尽くそうとしていることを私は理解しています。その能力とプロジェクトにつぎ込んだ時間を私は理解していますし、評価もしています。ボランティアの人もいれば、そうでない人もいます。みな能力ある人たちで、彼らが参加してくれたことを私は感謝しています。
(開発)チームやその中の個人への非難はしません。実行可能な計画を指揮、実行できていない、そのことに私は自責の念があります。しかしこのことについて何をいったところで、愚痴の発散や傍観者ぶりをさらけ出すのとたいしたかわりはありません。
ただひとつお答えできるのは製品版のリリースであり、付属のドキュメントで、リリース後にユーザが期待できるものを説明しておくことです。
敬具
Bob St.John
Serenity Systems International
訳してみたのはなんかこう、読んでてやるせない気分にちょっとなったからでした(Stardock のときほどではないけど)。あと、何となく思ったことを適当に。
- eComStation の事情に詳しくない方のためにエロゲー方面にたとえててきとーに説明すると、Serenity Systems ってのがエロゲーを作ってるソフトハウスで、Mensys ってのがいわゆる流通みたいなもんです。そんで最新作が延期に次ぐ延期と。(しかも購入ルートが事実上オフィシャル通販しかないんだぜ…ムチャシヤガッテ)
- 「製品を買うということは批判する権利も買うことである (when they buy the product, they buy the right to criticize)」というのはわりと名言な気もしますが。逆によくあるフレーズって気もする。
- わからないのでほんとにテキトーに訳してしまいましたが "certified application" ってのは実際どういいうものなのだろう。公共機関(やそれに近い業界団体)による検証と認可が必要なアプリケーションなんじゃないかと想像しましたが(銀行系とか一部の官公庁向けとか?自分で言っててまったくわかりませんが)。この場合違うプラットフォームで組み直したら当然再認可の手続きが必要かと思われるので、以前のバイナリが無変更で動けばいちばん楽なわけで。